プロトレイルランナー宮﨑 喜美乃
230kmトレイルへの挑戦。
【本キャンペーンは終了しました】

自ら早めに動くと、得られるものがある。
先の見えない今こそ、これまでとこれからを見つめて行動すれば、あらたな価値観を手に入れられる。
新型コロナにより多くのアスリートがレースという挑戦の場を失うなか、宮﨑は全長約230kmのタイムアタック「FKT（Fastest Known Time）」を敢行した。それは世界を舞台に戦う彼女が、今この状況で出した答え。自身の最長距離を塗り替えるチャレンジの先に感じたものとは？
カギを握るのは、T-Rocで並走するサポートチームの存在だった。

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_{※本チャレンジ及び撮影は2021年6月30日から7月1日にかけて実施されました。}

「Fastest Known Time」の略。特定のトレイルコースを走ったGPSデータをFKTサイトにアップし、 ネット上で最速タイムを競い合うアクティビティ。新型コロナの影響で世界中のレースが中止になるなか、著名なアスリートたちが続々とFKTでのチャレンジを行っている。

オフロード＆オンロードで約230kmにもなるロングトレイル。岩石海岸、砂浜海岸、砂丘などの雄大な自然はもちろん、日本海沿岸に育まれた歴史文化を楽しむこともできる、日本屈指のロングトレイル。

FKTは初めてです。出身が山口県なので、中国地方を走りたいと思っていました。山陰海岸ジオパークトレイルはロードも多いですが自然も豊かで、楽しみながら走れるな、と。

新型コロナの影響で大会がなくなって、目標があることの大切さをすごく感じていました。アスリートとしては何か目指すものが、やっぱり必要なんだなと思いましたね。

私がこれまで走った最長距離は170kmで、それ以上の距離を走ってみたかった。170kmからが勝負。そこからやっと自分の挑戦が始まる。自分の最長距離がどんどん更新されるので、その力をつけることで、また世界に挑戦する上のステップに行けるはず。

もともとロードを走り続けるよりも、トレイルランで山を走ったり時には登りで歩いたりすることが楽しくて。走り続ける、とにかく速さを求めるっていうところから、ちょっと逃げてた部分もあったと思います。でも走り続けないと、世界では戦えないのをすごくこれまで感じてきたので、今回はそこへの挑戦でもありました。

そのために、学んでいた運動生理学の分野を勉強しなおして、食べた方がいい物や、どれだけ脂肪を燃焼させればどれだけ長時間動けるか、などを考えるようになりました。

さすがにラスト20kmくらいは足が痛かったんですが、やめることはまったく考えませんでした。やるからには、走り切るのは当たり前。皆さんのサポートのおかげで完走できましたね。

高校生のときは「自分さえ速くなればいい」という考えでした。しかし今回のチャレンジなどを通じて、「一人では長距離を走れない」とあらためて気づいて。サポートは必須ですし、トレーニングの協力者がいることなども含めて力になる。それを学びました。長距離は自分が苦手な「人との関わり」や「コミュニケーション」をしないと成功しないんです。

これまで「痛い」とか「やめたい」とかは、人には絶対隠さないといけないと思っていました。けれど今回、痛いときは痛いとすぐ言って。足をひねったときもすぐ言って。するとそこに対処してもらったり、策が生まれたりもして。こういうことも大事なんだなって、すごく感じました。

自分の中で完結していたものを、人に聞いて、アドバイスをもらって、やり直す。そういうやりとりを何回もして今回の挑戦に臨みました。自分がやりたいことを、苦労をいとわず、楽しみつくす。そんなことが今回できて、「やってきたことは間違ってなかった」と、強く実感できましたね。

宮﨑 喜美乃（プロトレイルランナー） Kimino Miyazaki
1988年山口県出身。小学校から陸上競技を始め、鹿屋体育大学では長距離選手として活躍。トレイルランニングを始めて1年目の2015年9月〈STY〉にて女子優勝を果たす。現在ミウラ・ドルフィンズで健康運動指導士、低酸素シニアトレーナーとして活動中。2018年〈UTMF〉で8位入賞。2019年〈Oman by UTMB〉で3位入賞。

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